−モンブラン マッターホルン ユングフラウ− スイス 夏の山と花1.はじめに スイスの夏山を楽しみたいものだと思いました。 モンブラン、マッターホルン、ユングフラウを巡るツアーに参加しました。 景色の写真を中心にお楽しみください。 2.モンブラン 最初に訪れたのはモンブランです。 ジュネーブからフランスのシャモニーに移動し、シャモニーからロープウエ イで展望台に上がりました。標高約1,000メートルの町シャモ ニーから、ロープウエイを一度乗り継ぎ、 3,800メートルの展望台(エギーユ ・デュ・ミディ)まで一挙に上ってしま います。 富士山よりも高い所ですから、涼しい なんて気楽なことを言っていられません。 薄い防寒衣ではふるえあがります。 ←ロープウエイ ↓展望台(下界はシャモニーの町)
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残念ながら、4,807メー トルのモンブランは姿を見せて くれませんでした。 少しだけ顔を見せてくれた瞬間 があったのですが、写真を撮る 間がありませんでした。 ←姿を隠したモンブラン ↓雪山を楽しむ登山者
3.マッターホルン ツェルマットから展望台まで登山列車で上がりました。 ツェルマットはガソリン自動車の乗り入れが禁じられている空気のきれいな 町です。
標高3,100メートルの展望台(ゴ ルナーグラート)からは、4,634メ ートルのモンテローザやゴルナー氷河が 眼の前に迫ってきました。 展望台でビールを飲みながら1時間余 りねばりましたが、マッターホルンは姿 を見せてくれません。 ↑ゴルナー氷河(モンテローザ は雲に覆われている左端)
下山途中が、独りで超然と立って いるマッターホルン(4,478メ ートル)を眺めるのに適した場所で す。 登山電車の一区間を2時間位かけ、 高山植物の写真を撮ったりしながら ゆっくり歩きました。 ←池に写るマッターホルン 下りるにつれ、マッターホルンは次第に身に纏ったものを脱ぎ始めました。 ↓少し姿を見せたマッターホルン
しかし、どうしても全部脱ぎ捨てた姿を見せようとはしません。 ↓最後まで焦らし続けたマッターホルン
同行した添乗員さんの説明によると、山の形状を人物で例えるならば、 モンブランは大きなお父さん、次に述べるユングフラウは肝っ玉母さん、 そしてマッターホルンは若い女性だそうです。 確かに、スラリとした容姿で気位高く立っているマッターホルンは、独身 の若い女性のようであります。山を下りる途中では、最後まで全容を見せて くれませんでした。
しかし、ホテルに落ち着いてしばらく してから外を覗いてみると、なんと、端 正な姿をすっかりさらけ出してくれてい ました。 焦らしたり、開き直ったり、まことに 女性は恐るべし、ということでしょうか。 ←夕空に佇むマッターホルン (ホテルから) ホテルの近くに教会がありました。 翌朝、内部を拝見すると、装飾を抑えた教会でした。この教会では、マッター ホルンの登頂を目指して遭難した人の葬儀が行われるそうです。
教会の横に遭難者の墓地がありました。 遭難者は20代から30代が多く、若い女性(!) を追いかけて各国から集まったようです。 ←マッターホルンを仰ぐ教会 ↓遭難者の墓
4.ユングフラウ
インターラーケンでは、夕方 から夜にかけて、雷付きの雨が 激しく降りました。 一夜明けてみると、見事な快 晴でした。 ←朝の風景(登山電車から) 登山電車でゆっくりと急斜面を登ります。 正面の白い山がユングフラウです。姿を見たら、近くから顔を見たくなりま した。近づいたら顔を見せてくれるのだろうか。 ↓遠くに望むユングフラウ
登山電車の乗り換え駅クライネ・シャイデックに近づきました。 アイガー北壁が見えてきました。アイガー(3,970メートル)の右手に メンヒ(4,107メートル)、ユングフラウ(4,168メートル)が連 なっています。 ↓アイガー北壁
クライネ・シャイデックは標高約2,000メートルです。 ここで乗り換えた登山電車は(登山電車で登れる展望台としてはヨーロッパ 最高所の)ユングフラウヨッホ(3,454メートル)に向います。 下の写真で、大きく窪んでいる中央部に突き出ているのがユングフラウヨ ッホです。(右手の山がユングフラウ) ↓ユングフラウヨッホに向う登山電車
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この登山電車は、アイガーと メンヒの岩盤をくり抜いたトン ネルをゆっくりと登ります。 途中に、アイガー北壁から下 界を見下ろす展望台があります。 ←アイガー北壁からの展望 電車に乗っているうちに天候が変わっていました。 展望台は激しい吹雪に包まれていました。
←吹雪に包まれたユングフラウ ↓人に慣れたカラス
実は、5年前の9月に来たときも、ユングフラウは姿を隠していました。 人前に身をさらすことを恥らう姿故に、ユングフラウ(若い娘)と命名した のであろうと納得しました。 (ちなみに、マッターホルンは前回も全裸の姿を見せてくれました。 もしかしたら、マッターホルンとは男性を象徴する名前かも知れません) 5.お花畑
高い山と深い谷の景色に加え、 野草の花も楽しみでした。 行く先々の野山に、可憐な花が 咲いていました。 ←陽だまりに咲く花 (マッターホルンを眺める 散策路で)
よく見ると、 小さな高山植物が懸命に花を開いています。
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↓フルカ峠で
↓ハイジの家の近くで
6.おわりに スイスの景色には圧倒されます。 深い谷とそそり立つ高い山に囲まれた国土は、どこに行っても絵葉書の写真 を撮ることができそうです。その見事さは、与えられた自然の景観に加えて、 たゆまない人々の努力が実っているのだと言えましょう。 日本も自然に恵まれています。 しかし、スイスと比べて圧倒的に不足している点があると言わざるを得ませ ん。それは、日本全国を覆い尽くしている蜘蛛の巣(=電線)に無頓着なこ とです。 景観に関心をお持ちの方は、既報の「美しい国 日本の景観」も是非ご覧く ださい。 スイスの人々は険しい自然環境に向き合ってきました。 人々の生活なども取り上げたいと思いましたが、今回は美しい景色だけにし ぼりました。
(備忘メモ:・ロストバゲッジ ・特に急がない氷河特急 ・ツェルマットで見つ けたリヤカー ・電気自動車の町 ・オルゴール博物館 ・ナポレオン のアルプス越え ・リヒテンシュタインの入国印 ・雪解け水の川 ・瀕死のライオン像 ・カペル橋 ・氷河の内部 ・ハイジの家 ・食事 ・辻村伊助さんのスウィス日記 など)(散策:2007年7月20〜27日) (脱稿:2007年8月11日) -----------------------------------------------------------------この記事に感想・質問などを書く・読む ⇒⇒ 掲示板この稿のトップへ エッセイメニューへ トップページへ